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カリフォルニア共和国 California Republic [カリフォルニア時間の終わり]

February 13, 2012 (Monday)

1846年の夏に短期間存在した「カリフォルニア共和国」の旗(いまのカリフォルニア州旗の原型)を終わりの始まりに掲げておくのがよいとふと思いついた初春の日。

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むかしの記事――

May 2 長い一日(つづき) こどもの劇をみてカリフォルニアの歴史に思いをはせるの巻 [小学校と銀行] 

May 02, 2008 (Friday)

 


October 11 悲しみと楽しみ Sorrow and Joy [断章 fragments]

October 11, 2008 (Saturday)

土曜日の朝、父と娘の会話の断片 @ home in Albany, California, USA・・・・・・父は(よく思い出せませんけれど、とりあえず最初は)黙って聞いていたのだけれど――

「悲しいこと考えるのと楽しいこと考えるのとどっちが簡単?」

「・・・・・・」 

「わたしは悲しいこと。」

 


July -- 新渡戸稲造の『武士道』の副題について On Subtitle(s) to Nitobe Inazo's _Bushido_ [本・読み物 reading books]

某月某日 

モーリちゃんの父の父から問い合わせがあって、新渡戸稲造の『武士道』の奈良本辰也訳(三笠書房、知的生き方文庫)の巻末に、原書の情報としてあがっているのが、岩波文庫の矢内原忠雄訳の副題と違っているように思えるけれど、英語を教えてほしいというのでした。――

 "Bushido The Soul of Japan". ――Another of the History of the Intercourse between the U.S. and Japan.

岩波文庫(初版は昭和13年)の扉には次のようにあったのでした。――

武 士 道
    日本の魂
      ――日本思想の解明――

  とりあえず、ほとんど常識的に、副題が "The Soul of Japan" (「日本の魂」)であるということは了解されます。矢内原訳にある、二つ目の副題は、モーリちゃんの父の好きなInternet Archives で調べてみると、次のようなかたちで記載されていたものらしい――

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New York & London: G. P. Putnam's Sons, The Knickerbocker Press, 1905  スタンフォード大学所蔵本

  上のfragile な本は、フランス装というか、ペーパーバックのようですが、同じパトナム社刊のハードカバー本のタイトルページ――

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トロント大学図書館所蔵本

  見開き左のページの、著者の作品リストには、Bushido の副題として "The Soul of Japan" しか記載されていないことがわかります。少なくともInternet Archives で参照できるE-text で見る限り、どうやら矢内原忠雄が第二の副題として岩波文庫に記した「日本思想の解明」というのは "An Exposition of Japanese Thought" の訳だけれど、英語版でこれをあわせて掲げているのは、英語版としては古くはパトナム社版に限られるように感じられます。

  いっぽう、奈良本辰也は、この副題(?) を含まないかたちで、代わりに、"Another of the History of the Intercourse between the U.S. and Japan" (「合衆国と日本の交流史ふたたび」?)を第二の副題として掲げているように見えるわけですけれど、実際、ぐーぐるを検索してみると、これを含むかたちで本のタイトルとしているページがたくさん見受けられ、それはどうやらもっぱら日本語のページであり、なぜなら、ウェブ全体に拡大しても数が増えないからです(Bushido + "intercouse between the" で検索、日本語のページで約473件ウェブ全体で検索約434件 ・・・・・・なんか検索のしかた間違えていたりして)。ただ、この検索では、新渡戸の別の本――これについては後述します――があわせて引っかかっているというのも事実で、すべてが Bushido の副題として "Another of the History of the Intercourse between the U.S. and Japan" を掲げているわけでもありません。で、個人のページをあれこれ言う気はとりあえずいまはないので、ウィキペディアの項目「日本人論」の「日本人による日本紹介」の記述を引きます。――

海外向けに英語で書かれた著書。後に日本語訳された。

アメリカ人に持ち、キリスト教徒で、学者として日本と欧米で活動をした著者が、日本の道徳理念・慣習について問われ、逡巡した後その源は武士道だと行き着き、これを解説、説明する書。
アーネスト・フェノロサに付いて日本美術の調査をしたのをきっかけに日本に目覚めた著者が、帝国主義全盛時代の欧米に、を通して自己充足の在り方を投げかけた書。

  大文字の使用とかいかにも一貫性がなく、書誌情報として信頼しかねるにおいが漂っていますけれど、『武士道』については、ともかく "The Soul of Japan" をコロンで導入して(第一の)サブタイトルであること、逆に "Bushido" がメインタイトルであることは示しています。そして『 』に全部入れているので、全部がタイトルだという判断も示しています。
 
  カリフォルニア大学図書館蔵書の Bushido のひとつには、1907年に東京で出版された第12版があって、その表紙には、"TEIBI PUBLISHING COMPANY/ 16 Gobancho, Tokyo/ 1907/ Separately copyrighted in America and England/ This edition is for sale only in Japan" と書かれています。そうして、タイトルは表紙を見ても、扉を見ても、本文を見ても、 (メインタイトル)"Bushido" と (サブタイトル)"The Soul of Japan" だけです。

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  Copyright ページは "BY INAZO NITOBÈ/ DECEMBER, 1904"とあります。 "Malvern, Pa., Twelfth Month, 1899." [Pa.=Philadelphia] と最後に記入のある、初版の "Preface" (v-viii) のあとに、"Preface to the Tenth and Revised Edition" (第10版改訂版への序)(ix-xi) があり、その冒頭は次のように始まります―

Since its first publication in Philadelphia, more than six years ago, this little book has had an unexpected history.  The Japanese reprint has passed through eight editions, the present thus being tenth appearance in the English language.  Simultaneously with this will be issued an American and English edition, through the publishing-house of Messrs. George H. Putnam's Sons, of New York.

    このあと各国語の翻訳や日本語の注解〔名前の出るSakurai Oson (桜井鷗村)は、この数年後、矢内原忠雄の1938年の日本語訳に先立つこと30年の1908年に、最初の日本語訳を出した人〕の出版などについて触れて、この改訂版の序文の終わりには、"I. N" のイニシャルのあと改行して、 "Kyoto, /Fifth Month twenty-second, 1905." と記されている。「1905年5月22日、京都」。「6年以上前に」という冒頭の記述は、この本の初版が1899年なのか1900年なのか、ということと関わるところですが、調べてみると、東京で出版される英語版の初版〔慶應義塾の図書館情報に従えば、Bushido, the Soul of Japan.  An exposition of Japanese thought.  Tokyo, 1900〕は1900年、同じく東京で出版されるドイツ語版の初版〔同じく、Bushido, die Seele Japans, eine darstellung de Japanischen, ins Deutsche ubertragen von Ella Kaufmann.  Tokyo, 1901〕は1901年ということはとりあえずわかりました。そして、はじめ出版社はShokabo というところだったこともわかりました。初版の序文の日付は1899年12月――"Twelfth Month, 1899"――と書かれておったわけですが、実際の出版はいつだったのでしょうか。どうやら図書情報的には、Philadelphia: Leed and Biddle, 1900 となっているものも見られますが、Philadelphia: Leed and Biddle, 1899, 1900 というのも見つかります。「新渡戸稲造生涯と作品早見表 [ An Inazo Nitobe Chronology: His Life and Work ]」というページの記載では、『武士道』については、 (3) <英文著作> に第12巻中に「Bushido(1900; 2nd ed.,1905)」と、副題の情報なしに記載され、(4) <英文著作の和訳> の最初に第1巻「『武士道』(全12: Bushido)[矢内原訳を底本とする(初訳、1908桜井鴎村)]」と書かれています。そして、つづく<新渡戸稲造年譜> において、「1899 Bushido執筆。1900.1.Bushido出版。」と書かれています。

  新渡戸は1891年に、ジョンズ・ホプキンズ大学の "Johns Hopkins Studies in Historical and Political Science" のシリーズの別巻8 として、The Intercourse Between the United States and Japan: An Historical Sketch (Baltimore: The Johns Hopkins Press, 1891) 〔E-text: http://www.archive.org/details/intercourseusjapan00nitorich〕を刊行していました。これについては、上の全集構成では、 (1) <専門書>の第13巻に 「The Intercourse between U.S. and Japan(1891) 」を、(4) <英文著作の和訳>の第17巻中に「『日米関係史』(全13: The Intercourse between U.S. and Japan)」を掲げています。

WS000039.JPG

  問題は『武士道』のフィラデルフィアで出たアメリカ版初版ですが、これのE-Text が残念ながら、ない。

  ということで、現時点では、推測の域を出るものではないのですけれど(UCB の東アジア図書館〔「May 20 東アジア図書館 East Asian Library」参照〕に全集はありそうだけれど、確認作業としてはそれだけでは不十分そうです)、暫定的に推理を書き留めておきます。――

  (1)  『武士道 Bushido』のもともとの副題は「日本の魂 The Soul of Japan」でしかない。

  (2) 矢内原忠雄は、Putnam's Sons 版を利用した(か、第二の副題についてパトナム社版の表記を使用した)。直前の1936年刊の研究社版を翻訳の底本にするということも考えられるけれど、新渡戸の弟子としてはもっと以前から親しんでいた本があったはずだし、研究社版がテクストとしてすぐれていたかどうか(わからんけれど)。

  (3)  奈良本辰也の記述は見るからに曖昧である。正確に書き写すと、以下のようです――

ちなみに本書の原題は "Bushido The Soul of Japan". ――Another of the History of the Intercourse between the U. S.  and Japan である。 (「解題」 235頁)

引用符に入っているのはあくまで "Bushido The Soul of Japan" までです。ダッシュのあとの、「合衆国と日本の交流史のもうひとつ」(?)、これは、奈良本が参照した研究書・書誌等の記述を誤ってついでに書き写したか、奈良本が参照した原著の表紙等に、広告的に "Another of the History of the Intercourse of between the U.S. and Japan" と銘打たれていたか(そういうのに近いものが パトナムの "An Exposition of Japanese Thought" だったのではなかったか、と推測されるのですけれど)、いずれにしても、新渡戸の原著にはない表記としか思われない。そして、それは、あるいは、1891年刊の新渡戸の前著への言及を含んだ宣伝的な文句と思われ。

  (4) WEB 上の、 "Another of the History of the Intercourse of between the U.S. and Japan" を副題として含める情報は、奈良本本の解題記述を直接・間接に引用・修正した誤りと思われる。

   つづくかも。

karakusa.jpg

本文中以外のe-textsをいくつか(最後のGutenberg は1908年の13版を使用していますが、それには第二の副題 "An Exposition of Japanese Thought" はなく、上のふたつはそれがあります)――

Bushido The Full Text <http://chiri.let.hokudai.ac.jp/~you/nitobe/data/bushido.htm> 〔chieri.let.hokudai さんのページ〕

Bushido, the Soul of Japan Index <http://www.sacred-texts.com/shi/bsd/index.htm> 〔Sacred Texts 内〕

The Project Gutenberg eBook of Bushido, by Inazo Nitobe, A.M., Ph.D.. <http://www.gutenberg.org/files/12096/12096-h/12096-h.htm> 〔プロジェクト・グーテンベルク〕


October 13 今日もマスの勉強でございマス Everyday Mathematics [小学校と銀行]

October 13, 2008 (Monday)

  モーリちゃんの小学校5年の今日の宿題に "Puzzling Patterns" と題するページがあって、Professor Pattern prepared these puzzling patterns for you to ponder. (パタン教授が以下のパズル的パタンを諸君がポンダーするためにプリペアしたよ)と P 音の頭韻を畳み重ねて問いかけています(パタン先生はやりすぎだっちゅーの)。パタンに当てはまる数字を続けて3つ書け(Write the next three numbers in the pattern.) ということで、4, 8, 16, 32、それと3, 15, 75, 375、そして2, 5, 9, 14 と3問あり、それぞれ答えの数字のあとに Describe the pattern. という問いがオマケでくっついていて、モーリちゃんもそうだけれどモーリちゃんの父もとてもイヤな文章題になっているわけです。2つ目までは、ただ x2 と x5だから、まあ適当に文章にはできる。しかし2, 5, 9, 14 はなんだ。差(difference) が1ずつ大きくなっていく。どう言えばいいのでしょう。

   適当に検索すると、たとえば次のようなQ&Aが出てきました。――

Q:

"Mensa problem solving #11!"

 
2 5 9 14 20 ?

Can you complete this series?

   これは askvill (by amazon) というページ <http://askville.amazon.com/Mensa-problem-solving-%2311/AnswerViewer.do?requestId=3005521>。"mensa" というのは、"A Beautiful Mind IQ Test" というフラッシュページです(おひまな方は頭の体操にどうぞ <http://www.abeautifulmind.com/games/iq_test/mensa.swf>)。 その11問目に、ただ次の数を求めよ、ということで出てくる、それの質問です(頭が美しくないのでしょうか)。回答――①"2 5 9 14 20 27 / 5-2=3, 9-5=4, 14-9=5, 20-14=6, 27-20=7" [. . .] ③"The increase from 2 to 5 is 3 /The increase from 5 to 9 is 4 /The increase from 9 to 14 is 5 /The increase from 14 to 20 is 6 /The increase from 20 to 27 is 7" ④"for each iteration add 2 + n (the iteration number) to the current result.  It's recursive. /To find the nth iteration: /A1 = 2 /An =  An-1  +  n +  2" ⑤"Starting at 2 add 3/to the answer add 1 plus the previous value added."

    まあ、答を求めているだけなのですが、説明的なのは④と⑤で、④は現在の答にn度目かのn+2を足す、みたいなややこしい答え、⑤は2で始めて3を足し、答に前の値と1を足す、みたいな感じでしょうか。なんか英語がこれで論理的にOKなのだろうか? とう感じ。

  Algebra 1 Online Sample Lesson <http://www.oakmeadow.com/curriculum/overviews/algebra1_sample.pdf >はあれこれ書いてあるが、具体的な記述の文章はなく。

   Algebra/Geometry Institute Summer 2003 <http://209.85.173.104/search?q=cache:WjPf1It7dw4J:www.deltastate.edu/docs/math/lp1gloria.pdf+%222,+5,+9,+14,+20,+27%22+numbers+in+the+pattern&hl=ja&ct=clnk&cd=2&gl=jp&client=firefox-a> (http://www.deltastate.edu/docs/math/lp1gloria.pdf のHTMLバージョン) は下のような図式がありました。――

Example /Find the next two terms in the sequence below.
2, 5, 9, 14, 20
Solution
Find the first differences
2  5   9  14 20
 \ / \ / \ / \ /
  3   4  5   6
Since the first differences are not constant, find the second differences.
2  5   9  14 20
 \ / \ / \ / \ /
 3   4  5   6
  \ / \ / \ /
   1   1   1
The second differences are a constant 1.  Use the constant second
difference to extend the sequence of first differences.
2  5   9  14 20
 \ / \ / \ / \ /
  3   4  5   6  7  8
   \ / \ / \ / \ / \ /
    1   1  1   1   1
2  5  9  14 20 27 35
                  \ / \ /
                   7   8
fifth term    sixth term
↓            ↓
20+7=27    27+8=35
       ↓          ↓     

sixth term    seventh term

   こんな複雑な話だったの。まあ1が並ぶのはビューティフルですが。

  ちょっと違うけれど、こういうQ&A もあった(YahooAnswers <http://answers.yahoo.com/question/index?qid=20080903142305AAmYN9H>)――

Math help!? Try to find the next TWO numbers in the pattern!?

Can you please figure out these patterns and predict the next TWO terms.

18,46,94,63,52,61
O,T,T,F,F,S,S,E,N
4,8,61,221,244,884
6,8,5,10,3,14,1
B,0,C,2,D,0,E,3,F,3,G
2,3,6,1,8,6,8,4,8,4,8,3,2,3,2,3
AEFHIKLMNTVWBCDGJOPQRSU
where do the X,Y, and Z go?
I know there a lot of problems.
please tell me which problem you solve!
    どう見ても "numbers" じゃないっつーものが入ってますが。ふたり回答者がいて、Best Answer は明快な英語――
For the first one square the first number and reverse the number:
4² = 16 = 61
5² = 25 = 52
6² = 36 = 63
7² = 49 = 94
8² = 64 = 46
9 ² = 81 = 18
For the second one, the next two are T and E. The letters are the start of the numbers, for example, 1 starts with O, 2 starts with T and so one and so forth.
For the third one, double the term and reverse the digits. The next are 8672 and 24371.
For the fifth one, how many free ends the letter has. The next are 2 and H.
   もうひとりも明確な回答―― "do you own homework" 〔"your" かな?〕
      
  自分で宿題やれよ、みたいな。
  

カリフォルニア時間 最後の(にならない)挨拶 His Last(ing) Bow [カリフォルニア時間の終わり]

  4月11日の夕方日本に戻ってから、3ヶ月が過ぎようとしています。

  あれこれ公私にあったのですけれど、とりあえずブログに関しては、以下のようなことを5月から6月にかけて口頭ならびにメールで言われました。

  あんたねぇ、あんなブログ書いて、知らないと思ったら大間違いだよ(某偏執者)

  「いったいこの男は何をしてるんだ」、という好奇の的であったのだよ(某同級生)

  「気が狂いそうになる」という感想もあったりして、今やチマタで大評判ですよ(坊先生)

   どういう狭い血股いや巷だ。

   いくらか正直に書くと、4月の20何日か(つまり去年ブログを始めた日)まで書いて、空白を埋めようと考えていたのだけれど、アメリカから申し込んでいたにもかかわらずなかなかインターネットがつながらず、工事が来たのが4月27日だったのでした。そしてあれやこれや文字通りのリハビリテーション(あるいはchange of place)で日記をつける余裕もなく、アッというまに後陰矢のごとく日本時間は過ぎ。

  で、このあいだ(6月末に)ひさしぶりに書いてみたら、なんだか罪悪感めいたものを感じてしまった。たぶん、カリフォルニアから1年間だけ書くブログみたいに看板に書いていたので気がとがめたのだと思われます。

  で、ますます悩み。

  で、まんどくさいので、あちこち看板を塗り替えてみました。

タイトル
カリフォルニア時間(期限付き)

カリフォルニア時間 (2008年4月から2009年4月までの1年間の記録)


挿入テキスト(上部)
Californian Time (期限付き)

Californian Time 


プロフィールを書き足してみた。

 2009年4月に帰国しました。あれこれ思い悩んでいたのですけれど、日付つきで過去のことをときどき書くかもしれません。
(2009年7月10日記)


ブログ設定のブログ紹介文
カリフォルニアから2009年4月まで1年間だけ書くブログ

2008年4月から2009年4月までの1年間のカリフォルニア滞在の記録

  未来日記というのは禁じられているのだそうだが、過去日記というのはある意味あたりまえで、過去の登校日いや投稿日で書き足そうかとも思ったのですけれど、それはむしろカイザンの様相が強くなるし、自分でいつ書いたかわからなくなる(爆)のでやめて、去年の日付の記事をこのブログに書き足すことにしました。

  え、はい、この記事はちがってますねん。w


April 9 マクドナルズの終焉 The End of McDonalds――カリフォルニア時間の終わりに (4) [カリフォルニア時間の終わり]

April 09, 2009 (Thursday)

   サンフランシスコのTurk Street のMcDonalds Bookshop はモーリちゃんの父の好きな古本屋で、1994年から1995年にかけてサンフランシスコに住んでいたときには、足繁く通った店のひとつだった。
  「April 10 スーツとやかんとテレビ」で書いたように、去年の4月にサンフランシスコに行ってすぐのころに一度訪ね、そのときに閉店しているのかあるいはたまたま休みだったのか、定かではなかった。――

McDonalds Book Shop はClosedの看板がかかっていた〔地図〕。No Trespassingの紙も貼ってあった。後から知ったことだが、老朽化でしばらく閉店していたのが内部を改装して復活したらしいのだが〔Mike Humbert氏のページ参照〕。

  その後はもっぱらイーストベイでの生活が続き、5月に動物園に来たり、8月に植物園に来たりしたけれど、モーリちゃんたちと一緒だったし、自由行動はとれず(動物園からの帰りのミュニバスの車中からGood Fortune Books の健在な姿が見えたときには思わず声をあげたけれど)。9月にサンフランシスコの大古本市に来たりはしたのだけれど、個別の古本屋の思い出を訪ねてまわるという、ほんらいは念願だったはずのふるまいはできなかったのでした。暮れにモーリちゃんの母がサンフランシスコの病院に通うことになり、何度か付き添った帰り道で、一度、ターク・ストリートのそばを通りかかったときに10メートルくらい離れたところから覗き見て、あ、やってる?!と思ったことはあったのだけれど、寄ってもいいよ、と言ってくれたモーリちゃんの母が疲れていたし、そのまま素通りした。
  「☆Old Book Stores 〔サンフランシスコの古本屋シリーズ00〕 [カリフォルニアの古本屋] 」に書いたように、マクドナルズというのは時代の流れに逆らっているのがあらわで、インターネットとは無縁のところで商売を続けようとしたのだと思われます。ユニオンスクエア近辺の古本屋はのきなみ閉店・移転してきたのだし、あるいはインターネットの商売にチカラを入れるみたいなかたちで生き延びようとしてきたのだと思われます。詳しい事情はわからないけれど、地震により建物の老朽化が問題となって閉店、店主が代々誰だったのか知りませんが、どうやらItzhak Volansky という(新たな?)オーナーが改修を行ない、3年の休店期間を経て2006年に再開していたらしいと推測されます。
  モーリちゃんたちはアルバニの住み家をあとにして、サンフランシスコに2泊して帰国することにしたわけですけれど、4月9日にあれこれ買い物に出たときに、モーリちゃんとモーリちゃんの母は洋服とか買うというので、分かれて行動してから待ち合わせすることにして、モーリちゃんの父は最後の最後にマクドナルド(マクドナルズ)に行くことにしました。
  んが・・・・・・

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  隣の店の前に立っていた黒人のおじさんについ話しかけたら(ふだんだったらちょっと怖くて声はかけられないような場所なのです)、リース代が払えなくなって閉店となったということでした。「リサイクル」にクズ本(だと思うのだけれど)が山のように出されていたのでした。黒人のあんちゃんたちが古い雑誌を何冊か手に持っていたりして、自分も記念に(?)なんかもらおうかという思いが頭をかすめたけれども、断念しました。
  中をちょっと見ていいか、と作業員におそるおそる声をかけたのだけれど、「ソーリー」、といわれて、それも断念しました。
  自分が昔マクドナルズで買ったのは古い文学書が主でした。書籍100万冊を誇ったマクドナルズの、冊数の多くは雑誌だったかもしれず、『ニューヨーカー』のバックナンバーを置いている店とかいうふうに近年は有名だったのかもしれない。けれど、ホコリにまみれた、もう何年も誰も手に取ったことがないような本が二階の隅の書棚や、一階の棚の上のほうにあったのが自分が知るマクドナルズで、確かおおむね一階に山積みになった雑誌類はほ(じ)ったことはほとんどなかったのでしたが。もう一度見てみたかったけれど、耐震用に棚を低くし、おそらくはある程度整理した書棚からは、既に自分が知っていたマクドナルズはもはや消えていたのかもしれない、と自分を慰めるしかありません。
  月並みな言い方ですけれど、文字通り「掘り出し物」が見つかる、そういう店でした。合掌
  
  


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