May 20 東アジア図書館 East Asian Library [本・読み物 reading books]
May 20, 2008 (Tuesday)
モーリちゃんの父が朝からBARTのホームページを見ていたら5月16日に追加されたBARTtv Newsで "Asian Pacific American Heritage Month Destination: Starr East Asian Library" と題して、図書館長の Dr. Peter Zhou のインタヴュー記事を載せて(流して)いた。 "the largest East Asian library in the American West” (アメリカ西部で最大の東アジア図書館)で、中・韓・日あわせて90万冊以上の蔵書をほほこる。ナレーターは "East and West meet in dramatic fashion at the new Starr East Asian Library, a BARTable destination." (バートで行ける、新しいスター東アジア図書館で東と西が劇的な出会いをする)と継いでいますが、例によって、というか、作家Rudyard Kiplingの有名な "East is East and West is West, and never the twain shall meet." ("The Ballad of East and West" [1895]) の変奏です。
UCBの図書館でチラシをもらったときには気がつかなかったのですが、大学のページも見てみると、2007年の秋に完成して、この春完全に一般利用できるかたちで公開されたようです。でも図書館自体は前からあったはず。
(カリフォルニア時間20日14時30分) 言葉が足らなかったので書き足します。ナレーターが言っているのはもちろん東洋と西洋*が出会うということです。キプリングもいちおうそういうことです。ただ館長の(アメリカの)「西部で最大の東亜の」という言葉を受けて言っているところがおしゃれ(笑)。
*アメリカは西洋なのか、というと西洋じゃないから「欧米か」という言葉があるのでしょう。10年以上前から「環太平洋文化」という考え方が出ているように、むしろアメリカ、カナダも西海岸の方は東じゃなくて西のアジアのほうへ目を向けるまなざしが強い場合もあるのでしょうか。ともあれ、甘いりくつでいえば、旧世界でも東洋でもないアメリカ(のこの土地)において西と東が出会うという夢想もありうるのではないか。甘~♪w
甘くない歴史的考察は、松本悠子「アメリカ・ヨーロッパ・西洋――歴史的記憶としてのヨーロッパ」 (「文明を論ずるときは亜米利加の文明もその源は欧羅巴より移し足るものなれば、欧羅巴の文明とは欧羅巴風の文明というの義のみ。西洋というもこれに同じ」と『文明論之概略』で注釈をつけた福沢諭吉を枕として論じられる) (PDF)
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参照URL
BARTtv News <http://www.bart.gov/news/barttv/?ct=0?&cat=27&id=381>
C. V. Starr East Asian Library http://www.lib.berkeley.edu/EAL/ 〔大学内の公式HP〕
"The Ballad of East and West" e-text いろいろありますが無意味な分析つきの "The Ballad of East and West Analysis" http://www.eliteskills.com/c/4288 とか Bartleby <http://www.bartelby.org/246/1129.html>
青空文庫のキプリング作品 <http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person114.html>
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