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June 21 J-CAST ニュースというニュース (毎日新聞英語版ニュースのニュースについて) [ウェブ World Wide Web]

June 21, 2008 Saturday

  なんでも思うままに書こうかな、という誘惑に駆られるモーリちゃんの父だが、そうすると地雷を踏みそうな気もするので躊躇しているblog初心者なのですが。

 さて、昨日からモーリちゃんの父は若林史江が気になっていろいろ日本のサイトを見ていたのだけれど、J-CAST ニュースで(というかそれをそのまま「転載」しているYahoo!JAPANニュースで)6202045分配信の「テクノロジー」の「ニュース」として、

毎日新聞英語版サイト「変態ニュース」を世界発信


という見出しの記事が出ているのを知った。infoseekも同じですね。楽天womanも*。モーリちゃんの父にはまとめようにもまとめにくく、かつわかりにくい記事なので引用します。
J-CASTニュース:毎日新聞英語版サイト「変態ニュース」を世界発信がオリジナル(?)のサイトで、「ニュース>IT」にくくられています。――

「ファーストフードで女子高生が性的狂乱状態」「防衛省の『ロリータ』漫画キャラクターで内実が明らかに」――なんと毎日新聞の英語版サイトでこんな驚く べき記事が配信されていた。中には「六本木のレストランで豚を獣姦し、その後食べた」という、目も当てられなくなるような「変態ニュース」もある。これら の記事は国内だけでなく、海外のネット上でも話題になっていた。〔太字強調は引用者〕

幼児性愛漫画のキャラクターを使って政策をアピール??

  「2ちゃん並というか、2ちゃん以下だな」「毎日ひでえな」

 毎日新聞の英語版ニュースサイト「Mainichi Daily News」にあるコーナー、「WaiWai」が過去に配信した記事に、こんな指摘がインターネット上で相次いでいる。

 例えば、079月に配信したニュースにはこんなものがある。

〔中略〕

「ご批判は謙虚に受け止め、削除しました」

〔中略〕

 毎日新聞社長室広報担当はJ-CASTニュースに対し、

  「ご指摘の英文記事は過去に配信しておりました。ご批判は謙虚に受け止め、削除する措置を取りました」

と回答していている。

 一連の「WaiWai」の記事を巡っては「まとめサイト」**まで登場し、毎日新聞社に抗議するよう呼びかけている。そこには、インターネットの匿名性を問題にした同社の『ネット君臨』という書籍の一文を引いて、こんな主張が展開されている。

  「『ネット君臨』も書いている通り、ネットによって『一度つけられた傷は簡単には回復しない』(P76)のだ。日本国全体につけられた汚名に対し、いったい毎日新聞はどのような責任を取るつもりなのだろう」

 

  記事冒頭の段落で「配信されていた」、「話題になっていた」と過去形で事実が提示される。そのあと■がついているのは見出しであることがふたつめの■を見てわかったのだが、みだしのあとはいきなり字下げして2ちゃん並というか、2ちゃん以下だな」「毎日ひでえな」というのは引用であり「こんな指摘」に相当する。で、そういう指摘がインターネット上で相次いでいる、というのが現在の報道らしい。そのつぎの「例えば」は指摘の例ではなくて、過去の記事の例である。■「ご批判は謙虚に受け止め、削除しました」の段落では、毎日新聞がJ-Cast の取材に対してこう回答したという内容が前段。後段ではインターネット上での現在の動きを報道しているらしい。

  モーリちゃんの父は、最初読んだときに、なんでこれがニュースなのだろう、と思ったのでした。毎日新聞英語版、Mainichi Daily News のWaiWai が下品な記事を載せているというのは昔から話題になっていた。たとえば、

   Mainichi Daily NewsのWai Waiが楽しい」 〔2005年〕

  「【毎日新聞】 日本軍は南京大虐殺の集団から、小児愛好家の軍隊に変貌しました」 〔「英語版Wikipedia観察日記」2007年8月18日〕

  「【毎日新聞】 日本の既婚女性は夫以外とセックスをすることが大好きです。」 〔同上〕


現在Japan Times で "Tokyo Confidential" という欄を書いているMark Shreiber が、2001年にそれまでWaiWaiに書いたのを集めて "editor" として単行本にしたときのJapan Times の紹介は次のようだった。――

TOKYO CONFIDENTIAL: Titillating Tales From Japan's Wild Weeklies, edited by Mark Schreiber. The East Publications, 2001, 257 pp., 1,400 yen (paper)

Grown men in diapers? Couples going all the way in the back seats of Tokyo taxi cabs? Mothers stalking their daughters? Companies that rent out wedding guests? It's a side of Japan you won't read about in the sanitized pages of the country's daily newspapers, but it's standard fare in the weekly newsmagazines eagerly consumed by the Japanese public.

Based on information culled from these tabloid magazines, "Tokyo Confidential" offers foreign readers an entertaining and humorous glimpse into Japan's wild, wacky and often downright sleazy underbelly. First printed in the Mainichi Daily News' Waiwai column between 1992 and 2000, the book is populated by a rogues' gallery of baby snatchers, bullies, moral cripples and sex-obsessed teachers.

  普通の新聞には載っていないが日本の大衆が熱心に読んでいる大衆週刊誌に載っている日本人の裏の顔みたいなのを見てもらおうというような趣旨で、それはライアン・コネルもまねるところだったろうが、二人は他の人も入れて2005年にMark Schreiber, Geoff Botting, Ryann Connell, and Michael Hoffman, Tabloid Tokyo: 101 Tales of Sex, Crime and the Bizarre from Japan's Wild Weekliesを、2007年4月にMark Schreiber, Geoff Botting, Ryann Connell, Kamiyama Masuo, and Michael Hoffman, Tabloid Tokyo 2: 101 Tales of Sex, Crime, and the Bizarre from Japan's Wild Weekliesを出した。そして今年9月にその3の刊行も予定されている。(search inside がついてるしeditorial reviewもあるのでアメリカのアマゾンのページをリンクしときます)。

 モーリちゃんの父はJapan Times を久しく読んでいないのだけれど、調べてみると去年2が出たときの書評をDonald Richieさんが書いていたのでちょっとびっくりした (THE ASIAN BOOKSHELF "Gorilla snot and Tokyo sauce" By DONALD RICHIE/TABLOID TOKYO 2, by Geoff Botting, Ryann Connell, Michael Hoffman, Masuo Kamiyama, Mark Schreiber; Illustrations by Hirosuke Ueno; foreword by Mark Schreiber. Toyko: Kodansha International, 2007, 288 pp., profusely illustrated, 1,400 yen. Japan Times, April 29, 2007 <http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fb20070429dr.html>)。リッチーさんによると(リッチーさんほんとに読んでたのかしら)、101の話の大半は"Tokyo Confidential" と "Mainich Daily News Wai-Wai series" によるけど、そのソースは『週刊文春』を含む12あまりの日本の雑誌。"Most of these originally appeared in the weekly "Tokyo Confidential" column of this newspaper and in the "Wai-Wai" series of the online Mainichi Daily News, both of which still continue. These were in turn sourced from some two dozen vernacular magazines, most of them best sellers. One, the Shukan Bunshun, claims a weekly circulation of 800,000." だが、タネの週刊誌に変化があったとリッチーさんは書いています。――

Seeking more variety, however, the editors of this new second volume have gone further afield and included material not only from Flash, Spy, Playboy, etc., but also from such subculture magazines as Uramono Japan and Jitsuwa Knuckes. These latter publications one of the editors has described as off the wall and barely credible but still capable of showing "the funny and imaginative side of magazine journalism here."

  うらものじゃぱんってなんじゃろ?(笑)  どうやら、方向性としては先代のMark Schreber からずっと同じだけど、ネタ本がより下品より扇情的な広がりを見せたところに(それだけうそくさいのだが)問題の背景のいったんがあるのかもしれません。もちろんWai Wai に載っているのがすべて単行本におさめられているわけではないかもしれないが、ネットだけの話ではないのではないかと思われます。いや、そうではなくて、ネットだから問題ということですかね。毎日新聞がニュースとして世界に発信している二カ国語のニュースの片方が歪んでいるという。まあ、本になったときにはそれなりに誤解のないよう序文でも書いてもらえばよいか(Mark Schreber 以外の人に w)

  わたしは何がいいたいのかというと、第一にJ-CAST の記事の「ニュース」性に対する疑問です。これがニュースだとするなら、それはネットで現在問題になっている、というニュースなのでしょうが、記事の構成は、あたかも英語版サイトがそのような連載を過去にもっていたことが最近わかったかのように書いているし、問題になったので最近毎日新聞が削除(Mainichi Daily News のNotice は "halting publication" となっているが)したように書いているが、いつのことなのかが明示されていない。可能性としては、ネットでかねて、また最近問題になっていることをJ-CAST が毎日新聞に伝えたら削除の方向へすぐに動いたということなのだろうか。 どうも記述がすっきりしないと思いました。

  あと、 2ちゃん並というか、2ちゃん以下だな」というのは2チャンネルでのこの問題の議論に(も)出てきた発言で(■毎日新聞の英語版サイトがひどすぎる■ http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1211846778/2-10 の5)、あーんと、今調べたら「毎日ひでえな」はhttp://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1211846778/ の110(5月28日)ですねー、そこんとこわかっていたはずなのに記事は2チャンネル以外の発言と思われるように書いてますね。

   「毎日新聞の英語版サイトがひどすぎる」の最初の投稿は以下のような文章で、同じものがあちこちにコピペされているようです。

毎日新聞英語版 Mainichi Daily News WaiWai
ttp://mdn.mainichi.jp/culture/waiwai/

毎日新聞のWaiWaiというのは、Ryann Connellなる人物が、『実話ナックルズ』、『日刊ゲンダイ』、
『夕刊フジ』等、日本のタブロイド誌から、刺激的なエロ記事ばかりを「クリエイティヴに」翻訳して
紹介するという趣向のコーナー。

「六本木のあるレストランでは、日本人は食事の前にその材料となる動物と獣姦する」
ttp://www.cakehead.com/archives/2007/09/bestiality_rest.html
というような、『実話ナックルズ』からの真偽不明なエロ記事や、
「日本軍は南京大虐殺の集団から、小児性愛家の軍隊に変貌した」
ttp://wikiwatcher.iza.ne.jp/blog/entry/271153/
というような反日記事が、毎日新聞のサイトから毎日毎日大量に配信され、それを反日外人や
中国人・韓国人が世界中のフォーラムに転載し、日本人に対する人種的偏見を増幅するための
手助けとなっています。

このような事態に対し、有志が抗議を行っていますが、毎日新聞は記事の責任を負わないと明言し、
このConnellなる人物も、これはただの翻訳なんだと開き直っています。
つまり日本を代表する新聞が、責任を放棄した上でデマをタレ流しているという状況です。

このような毎日新聞の姿勢に対し、以下のような行動で対抗するべきだと考えます。

1.毎日新聞英語版のこのような事態を、2ちゃんやブログを通じて日本国民にもっと知らせる。
2.毎日新聞に対し、メール・電話・質問状などを通じて抗議する。
3.他の新聞・雑誌に、毎日新聞英語版のこのような現状を記事として取り上げてもらう。

毎日新聞英語版WaiWaiを潰すために、ご協力をお願いします。

「毎日新聞WaiWai問題」に関し、詳しくは↓
ttp://rockhand.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_6f5f.html ***

 

最後に言及されているのは「Mozuの囀」というブログの「毎日新聞英語版は誰にハックされているのか」という記事で、問題の所在をたいへん丁寧に外国人のコメントを引用しつつ述べています。一ヶ月後の「追記」における立場の説明も、「私が批判しているのはタブロイド記事をそのまま毎日新聞という日本を代表する新聞が掲載しているという一点にあります」という要約もなっとくできるものです。

  そして、どの情報を起点にするにしても、義憤に駆られる人が出てくるのも了解できます。ただ、「ニュース」として報道して世論をひっぱろうとする(んだかもよくわからないが)J-CASTニュースの「報道」の仕方の不透明性がどうも気になってしまうのでした。創刊のご挨拶には「他のメディアのコンテンツを流用するのではなく、このサイトのために作ったコンテンツを配信します。」と書いてあるんですけどね。あー、Webは自メディアということなのかしら。(つづく)

 

 

*楽天woman (楽天Infoweek woman)は記事がJ-CAST のものだと書かずに配置を変えて「転載」したうえで、「Copyright[コピーライト] 1998-2008 IDGジャパン Wired Ventures, Inc. NTT-X,and Wired Digital Inc. Impress Corporation MYCOM PC WEB Jupitermedia Corporation 記事の無断転用を禁止します。」と注記してますね。どういう著作権だろ。

** <http://www9.atwiki.jp/mainichiwaiwai/pages/34.html>

*** <http://rockhand.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_6f5f.html> 〔2008.4.24〕


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