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July 8 おおカリフォルニア!(15) おおスザンナ! (15) Oh! California Oh! Susanna  諸版の検討(9) Hal Leonard 版 (1999) [歌・詩]

July 08, 2008 (Tuesday)

     数日前のこと、「スザンナの周辺」という新たな軽いシリーズを構想して、最初に『Oh! スザンヌ』という3月に出た写真集のことを書こうかと思ってスザンヌが写真集のテキストについて語っている動画とかもリンクして下書きを保存しようとしたのだけれど、どこか星の彼方に消えてしまった。あまりフザケすぎないように、という天の声かと反省したが、そうフザケている気持ちもないのですが。せっかくだからやっぱりひとつだけリンクしとこう―「スザンヌからファンの皆様へ」(クリック注意)。

   おいといてー。

   もうひとつだけ現在ポピュラーと思われる楽譜集を見ておきます。

      Songs of Stephen Foster:

Original Editions of 30 Songs,

including:

Beautiful Dreamer, Camptown Races, Hard Times Come Again No More,

Jeanie with the Light Brown Hair, My Old Kentucky Home,

Oh! Susanna, Old Folks at Home, When This Dreadful War Is Ended

 

Milwaukee: Hal Leonard Corporation, [n.d.] (Composer Collection Series)  96pp.  ISBN: 0793591228.

 

    アメリカのWisconsin州Milwaukee の音楽出版社(60年くらい歴史があるようです)が出している ペーパーバックの楽譜シリーズの一冊。

  なぜか出版年が本に記載されていないし、編者の名もないのですが、copyright については記載があります。――

 

 

Unauthorized copying, arranging, adapting, recording or public performance is an infringement of copy right.

Infringers are liable under the law.

Visit Hal Leonard Online at

www.halleonard.com

 

   いまふうの音楽出版社らしくホームページを記載しています。で、調べてみると、<http://www.halleonard.com/item_detail.jsp?itemid=313094&order=9&type=product&keywords=stephen+foster+&catcode=00&refer=search> のページに検索でいきつきます。でも出版年の記載はありません。

  あまぞんとかで調べると April 1, 1999 と書かれています(ほんまかいな)。でもやっぱり編者の名前とかはどこにも見当たらず。

  そして52-53ページに入っている "Oh! Susanna" は歌詞は2番までしか収録していませんでした。――

     OH! SUSANNA

I come from Alabama with my banjo on my knee,

I’se gwin to Lou’siana, my true lub for to see.

It rained all night de day I left, de wedder it was dry,

the sun so hot I froze to def.  Susanna, don’t you cry.

Oh! Susanna, do not cry for me,

I come from Alabama wid my banjo on my knee.

2.

I had a dream de udder night when ebryting was till;

I thought I saw Susanna dear a-coming down de hill.

De buckwheat cake was in her mouf, de tear was in her eye;

I says I’se coming from de Souf.  Susanna, don’t you cry.

 

もとの詞の1番と3番です。そして1行目のwith が他のwid と元からズレているのはPeters 版を踏襲しています〔Cf. "Music for the Nation: American Sheet Music, 1820-1860: Susanna"; "19th & 20th Century Sheet Music of Negro Themes: Susanna"〕。だから、もしも歌詞を載せるスペース的余裕がなかったからとかいうような理由があるのでなければ、3番までしかないPeters版を尊重し、しかし留保として(1) 人種差別にかかわるとされる問題の2番は削除、(2) タイトルは長らく通用している "Oh! Susanna" を採用、した、と考えられます。Peters 版を尊重するならタイトルだって "Susanna" だろうと思うのですけれども、Peters版を尊重する編者もほとんどみんなタイトルだけは "Oh! Susanna" にしていますね。Peters 版に先行するHolt 版にすでにあった4番の歌詞については、一説では「後に付け加えられたとされる」「たまに4番目の歌詞が掲載されているのを見かけるが、誰が作詞したのかは明らかではない」とされ(「おおスザンナ 歌詞と解説」)、少なくとも "unauthorized" なヴァージョンとされてしまった。

  その結果「おおスザンナ」のテキストはボロボロですね。

  Oh! スザンヌ、

  じゃなかった、おお、悲惨な!

 


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