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October 13 ジュディー・バターフィールドの "How Long Has This Been Going On?" と "All the Things You Are" "How Long Has Been Going On?" by Judy Butterfield [歌・詩]

October 13, 2008 (Monday)

    また、自分の記事を読み直していたのだが、 「October 10 【メモ】 コピー、ジャズ、ジェンダー」に引用した、『ジャズ詩大全』から引かれたらしい文章を読み直して、ひとつには、映画『パリの恋人』でオードリ・ヘップバーンが歌い踊るのは「図書館の中でこの曲を歌う場面」とあるけど図書館じゃないよなあ、と思った。なにしろ何十年も前に見たきりだったので、よく覚えていないけれど、映像を見ると、たぶんニューヨークのグリニッジヴィレッジのジョーの本屋ですかね。本屋にしてもだいぶモーリちゃんの父の蔵書くらいにいろんなところに積み上げられて、整然としておらないけれど。あ、また読み直して気になったのでもちっと書き留めておきます――「しかしこのミュージカルは最初は [Smarty うぬぼれ屋] という題でフィラデルフィアで上演されたが、ウィルミントンの木、金曜日の興業では客は二百人足らずだったとアイラは回顧している。そこで曲を入れ替えたり物語を手直ししたり、題名を [Funny face] と変えたりして、その週の売上は六千ドルだったが、次にニューヨークのアルヴィン劇場の柿落としでは週四万四千ドル稼いだという。しかし、そのためにこの曲自体は落とされて使われなかった。〔太字による強調付加〕」 自分でメモった英文資料を見ると、10月11日Philadelphia初演、10月31日よりWashington, D.C.、11月7日よりAtlantic City、11月14日よりWilmington、以上で地方でのtryout は終わり、Funny Face とタイトルをあらためてNew York ブロードウェイのAlvin Theater で11月22日初演。

  さて、フィラデルフィアはペンシルヴェニア州の人口100万を超える大都市、ウィルミングトンはデラウェア州の人口10万に満たない都市だが、モーリちゃんの父の調査では、ブロードウェイのtryout プレ興業の伝統"its long tradition and national reputation in previewing Broadway tours and shows" をもつ The Playhouse Theatre (席数1252.現在のDuPont Theatre) <http://www.playhousetheatre.com/aboutus.html> だったようです(ちなみにブロードウェイのアルヴィン・シアター(現在の Neil Simon Theater)の席数は1400足らずらしい)。そして木・金とあるが、あの日は何曜日、という便利なサイト(The Perfect Perpetual Calendar 〔「あの日は何曜日? 10000年カレンダー」 の英語版〕)で調べてみると、1927年11月14日は月曜日でした。そうすっと、木金は17日と18日しかない(翌週の火曜日22日にはニューヨークだから)。ともかくブロードウェイ直前の興業地がWilmington だったので、そこで突然書き直しが行なわれたのではなく、ずっとモメにモメておったことはメモを参照していただくとわかります(「October 12 【personal note】 Funny Face (1927)」 いや、細かいことを書いてなにが言いたいかというと、実は細かいことはどうでもいいと思っておるのだが、細かいことを書くなら正確を期す必要があるだろうということです、これは自戒もこめて。

  もうひとつには、 「エラ、サラ、カーメン他多くの人が出しているが、なんといってもルイ・アームストロングのヴァースからじっくりと歌っているものが群を抜いて いる。」という文に大人げなく反発してしまった(笑)。オードリが一番である。

    ところで、ヴァースから歌っているもので、Judy Butterfield という若い女性のものがYouTube にあった。とてもよい。 モーリちゃんの父好みの、まっすぐそうなお嬢さんである(どういう日本語だよw)――


"How Long Has This Been Going On?" (4:56) posted by "GlynnODonnell" on November 23, 2007: Judy Butterfield singing "How Long Has This Been Going On?" as part of the Mabel Mercer Cabaret Convention, Jazz at Lincoln Center, New York City, November 5, 2007.

   ジュディー・バターフィールドは、サンフランシスコ生まれ(奇遇ですな)。14歳で歌手デビューし、2005年9月、15歳のときにファーストアルバムJudy Sings Judy: Live at the Empire Plush Roomをリリース(ライブで音源が悪かったようですが)、ホームページ<http://www.judybutterfield.com/index.php>によると、たぶん今月末に新しいアルバムHow Long Has This Been Going On? を発表のようです(昨年9月に同タイトルのショーをサンフランシスコでプレミア、それからニューヨークでも公演して、そのときの映像が上の画像のようで。だから当時17歳か。若いなあ。

facecover.jpg Judy Butterfiled - Home - <http://www.judybutterfield.com/index.php>

gallery7.jpg Judy Butterfield on the set "Lost Hollywood" --Directed by Jon Bernstein <http://www.judybutterfield.com/lost.php> Copyright © 2006 JudyButterfield.com

  『キャバレー・ホットライン・オンライン・ニュース』という、カタカナにすると怪しげなサイトがこの昨年11月のニューヨーク公演の記事を残しています("JUDY BUTTERFIELD RETURNS TO THE ALGONQUIN WITH NEW SHOW" CABARET HOTLINE ONLINENEWS -NYC -)。11月5日の一日ポッキリいやコッキリだったようです。  

                   fallingfrog1.gif

  ところで、このヴァース、なんか違ってますね。難聴気味のモーリちゃんの父の耳で2度聴いて書きとって検索してみると、それは、別の曲、"All the Things You Are" 「君は我がすべて」 (1939) のヴァースなのでした(君は我がすべてというより「(君が)君であるものすべて」なんでしょうけど)。――

Time and again I've longed for adventure 〔聞きなおしたらaffection に改変されてました〕,
Something to make my heart beat the faster.
What did I long for? I never really knew.
Finding your love I've found my adventure [affection],
Touching your hand, my heart beats the faster,
All that I want in all of this world is you.


You are the promised kiss of springtime
That makes the lonely winter seem long.
You are the breathless hush of evening
That trembles on the brink of a lovely song.
You are the angel glow that lights a star,
The dearest things 〔(that)―フランク・シナトラは(CA時間10.18追記) 〕I know are what you are.
 Some day my happy arms will hold you,
 And some day I'll know that moment divine,
When all the things you are, are mine!

  若い人はやることが違いますね、つーか、この歌はガーシュウィンの歌じゃなくて、オスカー・ハマースタイン2世 (1895 - 1960) の詞です(曲はJerome Kern)。〔ついでながら、この詞を調べようとして検索していたら、「All The Things You Are~ブロードウェイの光と影~」<http://www014.upp.so-net.ne.jp/komati-nikki/all-the-things.html>というページに行きあたってしまいました。原詞がないのはいいとして、verse の部分もなくて上の後半のchorus [refrain]のところだけ扱っていました。まあ、そういうものでしょうが、このページは1997年ごろにつくられたようなのですが、「この訳詩の問題点」とか「読者のみなさんから寄せられた解釈」とかあって、ちょっとビビった、いや感動しました。ジャズ詩大全だけじゃないっすよね。HP はなんというのだろうと思ったら、畑中久美子さんというひとの『開けてびっくり Jazz 詩玉手箱』というのでした。ああビックリした。〕

  リフレインの部分はこういう歌です。――

                                                    "All The Things You Are - Frank Sinatra" (3:02) posted by "umwelt1998" on February 23, 2008

   折角ですので『徒然帖』も参照―― <http://d0v0b.info/kyoku/a/allthethings.html>


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