SSブログ

November 14 人が動物になるとき When a Man Becomes an Animal――イーハー、イーホー、イーハウ Yeeha, Yeehaw のつづきの2 [ことば Words]

November 14, 2008 (Friday)

  まだ、yeeha を引きずっている記事です。

October 25 イーハー、イーホー、イーフー、ヤーフー、イャッホー、ヒーホー、ヒーハー Yeeha, Yeehaw, Yeehoo, Yahoo, Heehaw, Heehaのつづきの

October 26 イーハーとヒーハー Yeeha and Heehaのつづきの

November 12 イーハー、イーホー、イーハウ Yeehawのつづきの

November 13 都会的辞典 Urban Dictionary ――イーハー、イーホー、イーハウ Yeeha, Yeehaw のつづき

のつづき。

    ピッカリ王子の今週の検索なぞなぞは 「キャンプ場にたくさんあるドアってなーんだ?」というもので、それはテントだろ、と検索するとダメで、おいおい、まさかアウトドアじゃないよな、というのがビンゴなのでした。アウトドアのドアってもともとドアじゃんか、シャレでもなんでもないよ、と不満をブーブー言った朝でした。が、昼寝をしながら冷静に考えてみると、「たくさんあるドア」の「ドア」がdoor だと考えることは勝手に意味を推測・限定しているのであって、純粋に音と文字で考えれば、問題ない、というかちゃんとなぞなぞとして問題になっている、ような気もしてきた。もっとも、解答ページでは「アウト扉」と解説(?)が添えられており、それは余分だ。それじゃあだめだ。

  このように(どのようにか)人は文字の並びを意味づけて(既知の意味に分節して)読んでしまう。文字の並びはだいたいは音からきている。だいたいは、どの言語でも音声言語があって、のちに文字が生じたり、よその言語から借りてきた文字を適用したりした。

  イーハー、ヒーハー問題にかかずらわりたくなったなかった最大の理由は、それが擬音語とか擬声語とかいうものだろうから、でした*。第一に、わしにはニワトリの鳴き声がコッカドゥードゥルドゥーとはどうしたって聞こえないし、熱いときにアウチ!と叫ぶこともないし、オーマイガッとかガッデムとは口が裂けても言えない。第二に、いまの最後の例Oh! My God!  Goddam(n)は、間投詞interjecion といっていいのだろうけれど、ここまでくると、既存の意味のある語を含んでいて、そうなると第一の音の感覚のみならず、意味の体系についても知らないとならない。三番目に、第一と第二の境が不分明。

  * ほんとにそうなのかはわからず。つぎの自分の記事でちょっと辞書を検討します。

  ここで勉強です。「擬声語」- Wikipedia ――

擬声語(ぎせいご)は擬音語と擬態語の総称で、英語:onomatopoeiaの訳語である。オノマトペ(仏 onomatopée)ともいう。擬声語を擬音語の一部とする文献もある。

擬声語は、金田一春彦による研究が知られているものの、言語学において長らく研究対象とはされてこなかった分野である。

日本が 模範とした欧米の言語学は実際的な使用面よりも抽象的な理論形成を主眼においたこと、そもそも擬声語は言語体系の中心を離れた周辺的なもの、要するにだらしなく子供っぽいものと見なされたことがその理由である。子供っぽいという点に関しては、擬声語が日常語や子供向けの本に多用されるが、学術論文などにはまず登場しないことから窺える。

音と意味が直結した言葉である擬声語の意味の違い(「おずおず」と「おどおど」の違いなど)を考えることは、日本語の言語感覚を磨くのに役立つとする見解もある。

   音と意味が直結というのはどういうことですかね。意味あるのかなあ。その意味ってなにかなあ。

   onomatopoeia (これって英語じゃなくてギリシア語じゃないのかしら)の日本語の訳語としてはいろいろあって 「擬声語」「物声模倣」「声喩法」「擬声法」「写音法」「声喩」だそうです(あくまで日本語版Wikipediaによる)。ウィキペディアの記事は、擬声語を擬音語と擬態語に二分します。「擬音語は物が発する音を字句で模倣したもの」――

例:

  • メーメー(羊)
  • ブーブー(豚)
  • ドキドキ(心臓の鼓動)
  • ガチャン(ガラスの割れる音)
  • ドカン(爆発音、衝撃音)

なお音声を発する主体が同一の場合であっても、言語が違えば表記も当然違うものになる。

例:犬が吠える声

  • 日本語・・・wan-wan(ワンワン)
  • 英語・・・bow-wow, bark-bark, woof-woof, arf-arf
  • ドイツ語・・・wau-wau
  • フランス語・・・ouaf
  • スペイン語・・・guau-guau
  • オランダ語・・・baruw-baruw
  • イタリア語・・・bau-bau
  • ノルウェー語・・・baggo-baggo
  • スウェーデン語・・・voff
  • フィンランド語・・・hau-hau 〔イカ略〕

  動物は物なのでしょうかw。「言語が違えば表記も当然違う」というのが文字が違うから、という主旨なのか、音そのものが違って捉えられるという意味なのか、よくわかりません。「擬音語が動詞化・一般名詞化する用例も多数存在する」例としてあがっている、「その鳥が発する鳴き声からカッコウ (en:cuckoo)」って、まさに英語も日本語も同じに見えるんすけど――「南アルプスを眺めながらのんびりお茶しませんか」。ちなみに、英語のWikipediaの "anomatopoeia" は、むしろ類似のものを並べているように見えるのが興味深いです――

Balloon bursting

  • In English, pop
  • In Spanish, pop
  • In Tagalog, pop
  • In Macedonian, pau (пау)
  • In Romanian, poc
  • In Turkish, bom

Clock

  • In Chinese, Mandarin dī dā (滴答) (which also means "the drop answers")
  • In Dutch, tik tak
  • In English Tick Tock
  • In French tic tac
  • In Hungarian, tik tak
  • In Indonesian, Tik Tok
  • In Macedonian, tik tak (тик так)
  • In Norwegian tikk takk
  • In Romanian, tic tac
  • In Spanish, tic tac
  • In Swedish, tick tack
  • In Turkish, tik tak
  • In Bulgarian, tik tak
  • In Tamil, tik tik
  • In Tagalog,tic tac tic tac
  • In Polish, tik tak tik tak

  もちろん違うものもたくさん例示しているのですけれど。 

  日本語のほうに戻って、もうひとつの種類が「擬声語」ですが、「状態や感情などの音を発しないものを字句で模倣するのは、日本語の特徴でもある。「たっぷり」「ちょうど」のように擬態語と一般語彙の中間的なものもある。これについては英語版にJapanese sound symbolism(日本語の音象徴)がある。」 と書かれています。

  さて、考えれば考えるほどドンづまる問題なのですが、 「音声を発する主体が同一である場合」、その音声を複数の言語の話者が、たとえば母語ではなくて、国際音声記号(IPA)――「あらゆる言語の音声を文字で表記すべく、国際音声学会が定めた記号」(Wikipedia)――みたいな共通の表記で書きとったら、同じものになるのでしょうか。もちろん音声記号自体は、通常の人の言語の音を弁別するためのものでしかない(1回1回の発音の個別差を必ずしもとらえようとするものではない)ですから、人の言葉から離れた音声を表記せよということに無理があるのは承知しています。けれども、既に辞書に入っている擬音、それはどうなのだろう。

  具体的に考えてみると、誰だって(とはいいきれんが)、カエルがケロケロと鳴いたりお寺の鐘がゴーンと鳴っているとは必ずしも思っていないかもしれません。 でもそれを人(日本人が)がそのまま発したらば、それはIPA で表記されてしまうでしょう、たぶん。では、人々は同じ鐘の音を聞いているのでしょうか。つまり、あこれは鐘の音だと了解する前の純粋な音として、つまり鐘の音だと了解する以前というだけでなく、既知のモノや意味にまったく関連づけないで――そういう、原初的な世界内存在のありようが可能だとして――人が聞いたとき、それは同じ音ではないかしら、と思われ。

  あと、ある種の人の叫び声は実は「意味」をもつといっても情動的なものでしかなくて、そうなると、それは動物の鳴き声に近いもので、だとすれば、それを聞く人の言語の違いによって違って聞こえるものかどうか。動物の鳴き声のようなものだけれども、それぞれの言語でしばしば特有の表記をしているように(ワンワンとバウバウとか)、同じ叫びも違う発声として聞こえてしまうのかどうか。

  イーハーと叫んでいるのにヒーハーと聞こえてしまうのかどうか。ヒーハーと叫んでいるのにイーハーと聞こえてしまうのかどうか。

  それでも、意識的に叫んでいる限りは動物になりきってはおらんのでしょう。だから、さらに悩ましい(笑)。みんな、裸になろうぜ、という気もさらさらないが。

  はい。それでは、動物の鳴き声特集の「シング」をどうぞ。1分間の短いものですが、いろいろと登場します。ロバは29秒から33秒くらいにかけて登場しヒーハー言っています――

 


" Sesame Street - Sing (sand art) " (1:00) posted by "sesamestreet66" on January 19, 2008

  それともこのhee haw 言っているのは人なのかしら。いやそもそも実はヒーハーなんて言っていないのかしら。
にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽・映画の英語へ
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。