January 28 ファウラー&ウェルズ社の出版物リスト (2) ―1859年 Fowlers and Wells, 1859 Publications [擬似科学周辺]
January 28, 2009 (Wednesday)
E-text のサイトはいろいろとありますが、総合的でよく使うのは Internet Archive という、1996年にサンフランシスのPresidio (address: Internet Archive 116 Sheridan Avenue, The Presidio of San Francisco, San Francisco, CA 94129 )で創始された非営利サイト(アメリカの"501(c)(3) non-profit"――これは「December 4 食品博物館――キャベツ娘とキャベツ頭はどのようにつながっているか Food Museum 」で触れた"Food Museum" と同じ)です。インターネット図書館であり、メディアはテキストだけでなく、音源、ビデオ、ソフトウェアなど多様です。テキストもフォーマットが多様です。悩むくらいにw Internet Archive Home: <http://www.archive.org/index.php>
そのインターネット・アーカイヴの検索で見つけた一冊にファウラー兄弟共著の骨相学自己教則本があります。
O. S. and L. N. Fowler, New Illustrated Self-Instructor in Phrenology and Physiology; with over one hundred engravings; tegether with the chart and character of ________ as marked by _________. 以下は Internet Archive の記述――
Author: Fowler, O. S. (Orson Squire), 1809-1887; Fowler, L. N. (Lorenzo Niles), 1811-1896
Subject: Phrenology
Publisher: New York : Fowler and Wells
Possible copyright status: NOT_IN_COPYRIGHT
Language: English
Call number: AZF-9825
Digitizing sponsor: MSN
Book contributor: Robarts - University of Toronto
Collection: toronto
詳細ページ <http://www.archive.org/details/newillustratedse00fowluoft> 。そして左の "View the book" (本を見る)のところに "(9.6 MB)Flip Book / (84 MB)Flip Book (beta) / (16 MB)PDF / (433 KB)Full Text / (7.6 MB)DjVu" が並んでいます。
これの内容は別記事で紹介することにして、巻末の出版物広告(クリックでちょっと拡大)。
本が分類されて見出しで分かれていますが、目につくのは "psychology"(心理学) が "physiology"(生理学)、 "mesmerism"(メスメリズム) と一緒になっているところです(3枚目)。右下の "MESMERISM - PSYCHOLOGY" の冒頭にあがっているのはドッズの『電気的心理学の哲学』・・・・・・あ、読みにくいのでここだけ書き写しておきます――
MESMERISM―PSYCHOLOGY.
ELECTRICAL PSYCHOLOGY, Philosophy of, in Twelve Lectures. By Dr. J. B. Dods. Paper, 62 cents; muslin, 87 cents.
FASCINATION; or, the Philosophy of Charming (Magnetism). Illustrating the Principles of Life. Paper, 50 cents; muslin, 87 cents. ☞E-text
LIBRARY OF MESMERISM AND PSYCHOLOGY. With suitable Illustrations. In two large volumes of about 900 pages. Price, $3. ☞E-text
MACROCOSM AND MICROCOSM; or, the Universe Without and the Universe Within. By Fishbough. Scientific Work. 62 cts.; muslin, 87 cts. ☞E-text
PHILOSOPHY OF MESMERISM AND CLAIRVOYANCE. Six Lectures. With Instruction. 30c.
PSYCHOLOGY;or, the Science of the Soul. By Haddock. Illustrated. 30 cents. ☞E-text
スペースに入れるためにcents が cts. だったり、ただのc. だったりしていますw
2冊目の "Fascination" というのは "or, the Philosophy of Charming (Magnetism)"とつづいているように、「魅力」つまり人を魅了する力とマグネティズムないし磁気がつながっていることが、それも多分に俗っぽくつながっていることがうかがわれる本です。実際、"magnetism" 自体が現在でも「魅力」の意味をもっているわけですが、たんに人を引きつける力のタトエとして物理的磁力というのでなく、メスメリズム、動物磁気説を経過して、人間対人間の支配的影響力みたいな含みが付与されたわけです。それはfascination でいうと、ヘビがカエルをfacinate するみたいな怖い力も含めて。そのへんは『魔の眼に魅されて』という邦題で訳されたMaria Tatar の Spellbound がラスプーチンや20世紀の作家まで追っかけて記述していた記憶があります。もっとも「魔の眼」で連想する馬目じゃない蛇眼じゃない、「邪眼」 「凶眼」「邪視」(evil eye) というのは、それはまたそれで伝統があるとは思いますが。
ううむ。この本は John B. Newman という医者の本で、長いタイトルは Fascination, or the Philosophy of Charming: Illustrating the Principles of Life in Connection with Spirit and Matter というのですね。霊と物質との関係で生命の諸原理を解説する魅惑の哲学・・・・・・深い。かもしれない。
ついでながら、同じ3ページ目の左側のコラムのまんなかへんには "Family Dentist" という本があります。ベイエリアで「ファミリー・デンティスト」というと土屋歯科ですが〔テレビCMの影響〕、院長の妹さん(?)が土屋眼科をやっていることとまったく関係はなくて、ファミリー・ブッチャーみたいな "family" だと思うのです(たとえが悪いかw)。しかしこの本の場合、やっぱり自分でケアするということだと思われ――「January 3-4 ホメオパシーとスウェデンボルグ主義 (上)――擬似科学をめぐって(7) On Pseudosciences (7)」で挙げた民間医療の本の諸タイトルを参照。
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