September 11 サニー・デイ・リアル・エステイトとジェレミー・イーニック Sunny Day Real Estate and Jeremy Enigk [歌・詩]
September 11, 2008 (Thursday)
ジェレミー・イイニクでもいいんですけれどー。 いい肉の日になってしまいそうなので。
ジェレミー・イーニックについて日本語で書いてあるページを探していたら、懐かしい新宿のディスクユニオン(の中古センター)がブログをもっていて、その2006年5月5日の「SUNNY DAY REAL ESTATE その1【USインディー/EMO/グランジ】」、続く6日の「SUNNY DAY REAL ESTATE その2【USインディー/EMO/グランジ】」で文責FHさんが適度な分析と詳しい知識と、そして対象への愛のある、とてもくわしい歴史を書いています。やはり、どういう世界であれ、好んでその中にいると自ずからクリティカルなまなざしは知識とともに出てくるのであって、逆にクリティカルな目をもってよそからやってきて批評ぶるのとはちがって、とても好感がもてます。『西部劇私的博物館』のノスタル爺さんもそうですけど。愛がなくちゃね。
で、全文引用したいところですが(それは引用とは呼ばん)、アルバム・ジャケットをちりばめた原ブログにあたっていただくことにして、とりあえず、情報的な部分だけ――
サニー・デイ・リアル・エステイトは、ダン・ホーナー、ネイト・メンデル、ウィリアム・ゴールドスミスの3人によってシアトルにて結成され、そこにVo:ジェレミー・エニックが加わる形で、92年に結成。
サブポップより94年にアルバム・デビューを果たす。[・・・・・・]
SUNNY DAY REAL ESTATE “DIARY”【日本盤は廃盤。。】
静と動を使い分け、時に激しさを増すサウンド。
で、「シアトル」、「SUB POP」って続けば、ほぼ間違いなくグランジって思われるでしょうし、実際その影響も大きいのだけど、既に独自の世界観を確立している。
アルバム通して傑作。#3“SONG ABOUT AN ANGEL”名曲。[・・・・・・]SUNNY DAY REAL ESTATE “SUNNY DAY REAL ESTATE”【日本盤は廃盤。。】
ファンの間では、LP2、もしくは“ピンク・アルバム”と呼ばれている。本作発表時既にこのバンドは無かった。
アルバム完成直後のライヴの最後に突如解散、そして実際に発売されたのは半年近く経ってから。休止ではなく、解散。
理由は本人たちの予想を越えたあまりの人気の高さにジェレミー・エニックが困惑し、キリスト教信仰に強くのめり込み、それに他の3人のメンバーが翻弄されたことにあったと言われている。はっきりした理由は当然判らない。ジェレミーはデビュー当初からあまりインタビューを受けないことで知られ、それがまた神秘的な存在にしている一因だったから。
勿論、彼らの奏でる音がそうした思いに拍車をかける。
2nd発表時ネイトとウィルはフー・ファイターズへ加入。
SUNNY DAY REAL ESTATEが有名なのは、これがデカイようですよね。。ダンは郊外の牧場に引っ込んで半ば隠循。
ジェレミーはソロ活動に入り、96年に「Return Of The Frog Queen」をこれまたSUB POPよりリリース。
21人編成のオーケストラを従えて。
Jeremy Enigk “Return of the Frog Queen”【輸入盤のみ。。】
短い活動期間だったにもかかわらず、バンドを惜しむ声は多く、一部のファンの間では伝説的な存在にすらなっていたが、やがてウィルのフー・ファイターズ脱退を機に、かつてのバンドメイト達は再接近、最終的にフー・ファイターズに残ったネイト以外のメンバーによって作り上げられた。
因みにその時みんなにもう一度SDREをやろうと連絡を取り、音頭を取ったのはジェレミーだったという。再起を賭けた3rd“How It Feels To Be Something On”はジェレミーの才能が大きく飛翔した凄まじい作品となった。これはどうしたって、「神秘的」とか「美しい」と形容しちゃうしかない。ジェレミー・エニックのエモーショナルなファルセット・ヴォイス、どこか異国風でエキセントリックな研ぎ澄まされた静謐なギターサウンドがどこまでも深く突き刺さる。
しかし、最も暗く、陰鬱な本作は人によっては全く受けつけないのでは。
彼岸の音。アチラ側に行ってしまっている本作は、ある意味において選ばれた人間がある心理状態のとき、つまり一生のうちの一時期にしか創り出せない類のものじゃないかとか思う。[・・・・・・] 〔「SUNNY DAY REAL ESTATE その1【USインディー/EMO/グランジ】」〕
In the Blue という "An Unofficial Sunny Day Real Estate Fan Site" の「歴史」のページ、"In the Blue - Sunny Day Real Estate fan site - History" で姑息に確認すると、かいつまんでいうと以下のような初期の話です。Dan Hoerner (1969年5月13日生)、Nate Mendel (1968年12月2日生)が1992年に同居してDan がギターを、Nate がベースを弾いてDanが歌も歌っていたのだが、ある夜クラブで演奏していたバンドのドラマーの William Goldsmith (1972年7月4日生) に目がとまり、誘ってEmpty Set を結成、ゴールドスミスがいたバンドのボーカルだったGreg Williamson も "sound tech and manager" として加わった。デモテープをつくったところで "Empty Set" の名前は既に他のバンドに使われていることがわかり、Chewbacca Kaboom に名称変更、さらにデモテープをつくるけれど注目されず。One Day I Stopped Breathing に変更。さらにSunny Day Real Estate に変更。1993年に自費制作でシングル発表。Nate はChrist on a Crutch というバンドのヨーロッパツアーに参加し、そのおりにハイスクール時代にいくつかのバンドで共演したことがあった Jeremy Enigk (1974年7月16日生) と再会、旧交をあたためます。Nateは帰国後にみんなで膝をつきあわせて(かどうかはわからんが)、これからどうするかを相談します。これまでのように Dan のボーカルできっちり3人編成で行くか、新たなボーカル& ギターとして Jeremy を入れるか。Jeremy と一緒に何度かセッションをやって、疑念と不安は払拭されます。
というところぐらいにして、さて、次のようなのはどこからやってくる日本語でどこからやってくる情報なのかと疑問が起こったのでした。
ジェレミー・エニック【じぇれみー・えにっく】
2007/04/27 00:00更新
イザ語オフィシャル解説
サニー・デイ・リアル・エステイトの創立者でフロントマンのジェレミー・エニックがバンドの絶頂期に脱退すると、多くのファンは落胆した。それは丁度バンドがメインストリームに食い込みはじめている時期だった。音楽業界から離れてしばらく内省した後、エニックは96年にソロ・アルバム『ザ・リターン・オブ・ザ・フロッグ・クィーン』で復活。以前のギター・サウンドと胸を刺すような歌を放棄、新しくストリングスをアレンジして内向的かつ想像性豊かな物語を作り上げる。それはルネッサンス復興愛好家からエモ系、目の肥えたゴスまでがうっとりするような内容だった。エニックはその後、サニー・デイ・リアル・エステイトに戻るが、多くのファンにとってこのアルバムが頂点だったと言える。〔「ジェレミー・エニック:イザ!」〕
実は昔から(って今年からだけど)「イザ!」ってなんや、と思っていたのですが、「イザ語オフィシャル解説」ってなんすか? 本文も、モーリちゃんの父の感覚だと日本語からハズレている文章なのですが。とりあえず、この情報は「解説提供」のリンクがあるのでした。だから先送りしますが、「別の意味での「ジェレミー・エニック」の登録」ってなんや? (クリックしてもわからず)。
で、解説提供元ページ――
Jeremy Enigk
(じぇれみー・えにっく) [ジェレミー・エニック]
サニー・デイ・リアル・エステイトの創立者でフロントマンのジェレミー・エニックがバン ドの絶頂期に脱退すると、多くのファンは落胆した。それは丁度バンドがメインストリームに食い込みはじめている時期だった。音楽業界から離れてしばらく内省した後、エニックは96年にソロ・アルバム『ザ・リターン・オブ・ザ・フロッグ・クィーン』で復活。以前のギター・サウンドと胸を刺すような歌を放棄、 新しくストリングスをアレンジして内向的かつ想像性豊かな物語を作り上げる。それはルネッサンス復興愛好家からエモ系、目の肥えたゴスまでがうっとりするような内容だった。エニックはその後、サニー・デイ・リアル・エステイトに戻るが、多くのファンにとってこのアルバムが頂点だったと言える。
Jeremy Enigkのオフィシャルサイト:http://hubcap.clemson.edu/~bpmccal/hollow.html
音楽最新作品 (音楽ダウンロードタイトル一覧)
作品名 試聴 曲数 価格 購入 贈る リリース Return Of The Frog Queen 聴く 9曲 単曲販売 詳細 詳細 2006/08/08
ジャンル
・ 洋楽 > オルタナティヴ/パンク > インディ・ロック&ロー・ファイ > バロック・ポップ > Jeremy Enigk
・ 洋楽 > オルタナティヴ/パンク > インディ・ロック&ロー・ファイ > エモ > Jeremy Enigk
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まあ、文章はまったく同じです。典拠は書いていません。あとやっぱりまったく同じ奇怪な文章がもうひとつ wacca という配信サイトにもありました――「Jeremy Enigk(ジェレミー・エニック) : インディーズ楽曲配信サイトwacca」。さらにもうひとつgoo 音楽にも(あ゛、シンギングカウボーイの「カウボーイアーティスト」――September 8 歌うカウボーイの「おおスザンナ」 (1936) 参照――のgoo音楽か、やっぱなあ、ぱくりだよなあ)――「Jeremy Enigk - goo 音楽」。
君らには一片の愛も感じられない。
腹が立ったので、適当に英語のキーワードを訳して、検索したら、今度はあちらの音楽配信サイトがひっかかりました。―― "Free Jeremy Enigk Music Online, Music Downloads, Music Videos and Lyrics - Rhapsody Online." このページの左の囲みの、"more" をクリックすると、以下の文章が出てきます、署名入りで。――
About
When Sunny Day Real Estate founder and front man Jeremy Enigk left the band at the apparent peak of their power, many fans were inconsolable. Their shadow had just begun to cross the threshold of mainstream acceptance. After taking a brief soul-searching hiatus from recording, Enigk returned in 1996 with a brilliant solo album, The Return of the Frog Queen. On this outing, Enigk traded in sonic cavalcades of guitar for string arrangements and swapped heart-impaling confessional psalms for brooding, imaginative fables. The album offers a sumptuous repast of orchestral rock and Lewis Caroll-inspired lyrics at which Renaissance Fair enthuasists, Emoids, and discriminating Goths may dine with equal delight. Though Enigk would subsequently return to the Sunny Day Real Estate fold, for many fans, this will remain his most impressive showing.
- Chad Driscoll
ということで、おかしな日本語の「解説」はやはり英語の翻訳だということが確認されました。めでたしめでたし。
じゃないっちゅうの。
原文はちょっと気取ったレヴューの文章という感じです(対象への愛は感じられない)。でも事実関係でまちがってますね。上で確認したように Jeremy Enigk は"founder" ではない。ソロアルバムは The Return of the Frog Queen ではなくて Return of the Frog Queen だ(細かいが大事なことです)。訳すのが悪いとはいわんが、訳すんなら途中を抜かさないでちゃんと訳していただきたい。そうでなければ、原文を参考にとどめて自分のことばで書けばいい。ウィキペディアと一緒です。
ちょっと「ルネッサンス復興」 というredundant な訳語が気になったので、それについてつづく~♪ あ、最後に一曲。アルバム『カエル女王カエル』の1曲目――
"Abegail Ann" (3:04)No time to see where you went Abegail
Moving throughout dallow water to spill
There crash a wave torn apart on its sail
Hope I will see the end one maybe will
Open eyes to see it all
I've known you at six feet tall
No time to see where you'll drift Abegail.
「SUNNY DAY REAL ESTATE その1【USインディー/EMO/グランジ】」<http://blog1.musicfield.jp/du_ds11/archives/2006/05/sunny_day_real.html> 〔diskunion新宿中古センターblog, 2006年5月5日〕
「SUNNY DAY REAL ESTATE その2【USインディー/EMO/グランジ】」 <http://blog1.musicfield.jp/du_ds11/archives/2006/05/sunny_day_real_1.html> 〔2006年5月6日〕
"In the Blue - Sunny Day Real Estate fan site - History" Written by Charlie Wagner with minor editing and annotations by John DeSprito (thank you to Greg Williamson for corrections) <http://www.sunnydayrealestate.net/history.html> 〔"Interactive timeline" が近々追加されるそうです〕
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