June 30 Pg4のミステリー――本の電子化について――The Four-Pools Mystery by Jean Webster (1) [本・読み物 reading books]
June 30, 2008 (Monday)
この日、週明けだったせいかしらんが、たまっていたかのように荷物が4つ届いた。3箱は本で、ひとつはCrystal Gayle のCD (微笑)。
実は本屋の alibris のクーポンの期限が迫っていたので、この日の1週間くらい前に、なんか高くていい本はないかな、と考えているなかで、『あしながおじさん』を書いたジーン・ウェブスターが匿名で出した推理小説の初版はないかしら、と思い浮かんだ。そうして調べてみたら、検索結果のなかにBurtの初版と称するものはひとつあったのだけれど、他にぼこぼこリプリント版が出てきたことに驚いてしまった。
Century 初版の表紙はこれです(ダストジャケットなし)――
[Jean Webster.] The Four-Pools Mystery. New York: The Century, Co., 1908. 336pp. [1st US ed.]
[Jean Webster.] The Four-Pools Mystery. New York: A. L. Burt, 1908. 336pp.
Jean Webster. The Four-Pools Mystery. London: Hodder and Stoughton, 1916. 248pp. [1st UK ed.]
Burt という出版社はハードカバーだけど廉価なリプリント版を出す出版社だと記憶していますので、Century 版がアメリカの初版です。また、1907年出版とする情報もネットに流れていますが、本本体にはcopyright が1907, 1908 となっているけれど、すぐ下に "Published, March, 1908" と書かれています。
で、従来は上の古本3冊しかなかったはずなのですけど、昨年から今年にかけて以下のように池袋、いや目白押し状態で並んでいます。(今なぜか日本のアマゾンのほうが多く並んでいるので参照―勧誘ではありません―)――
A. The Four-Pools Mystery. Wildside Pr (2007/5/30). 152pp.
B. The Four Pools Mystery. IndyPublish.com (2007/09). 176pp.
C. The Four Pools Mystery. Book Jungle (2007/7/20,30,9/30). 228pp.
D. The Four Pools Mystery. Stardard Pubns Inc (2007/11/30). 228pp.
E. The Four-Pools Mystery (1908). Kessinger Pub Co (2007/11/30). 344pp.
F. The Four-Pools Mystery. Oak Grove, Kindle Edition (2007/12/23). 539KB. Print Length: 172pp.(←このKindle Edition のはただの宣伝用の絵です)
G. The Four Pools Mystery. Biblio Bazaar (2008/1/31). 172pp.
H. The Four Pools Mystery. Tutis Digital Pub, Great Classic Series (2008/2). 352pp.
「なか見!検索」というのが DとF以外はついているので、クリックすると皆どれもG にシューレンしてしまうのでした(これじゃ「なか見」じゃなくてよそ見だよー)。モーリちゃんの父が買ったのはHの一番ページのある版です。実はalibris は送料がかかるし、不幸なことにカリフォルニアに会社があるので(笑)、カリフォルニア住民が注文するとtaxがかかってしまうので、送料無料のAmazon prime をフリートライアル後にそのまま継続してしまったAmazon で買った。これはLarge Print ということはわかっていたのですが、目が疲れなくていいかなと。ま、一番安く手に入るのを選んだというのが正直なところです。$13.67でした。
で、届いたのを見て、どうも違和感がありました。ラージプリントというのは昔からあって、でも印字自体が特殊ということはなかったと思うのですが、まったりしたゴシック体のひげなしフォントでした(サンセリフ sans serif というやつ)。そう、type じゃなくてfontと呼ぶのがあっているようなコンピューター的な字。出版社名が目に留まらなかったのかもしれません。本を開けてみると、正しくは "Tutis Digital Publishing Private Limited" という社名なのでした。
しかし許せんのは1ページのまんなかへんの
the one who had [Pg 4] drawn up the will
ですね。
(つづく) (あ、前の記事です)
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