March 8-10 ユスティヌス・ケルナー Justinus Kerner――擬似科学をめぐって(29) On Pseudosciences (29) [擬似科学周辺]
March 08, 2009 (Sunday)
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March 10, 2009 (Tuesday)
で、\(・_\)それは(/_・)/しばらくおいといて、ついでながら、ケルナーのドイツ語の原本はE-textがWebにあります。1829年の初版は見つかりませんが、1877年のJ. G. Cotta 版と 1892 年の Steinkopf 版(Die Seherin von Prevorst: Eröffnungen über das innere Leben des Menschen und ... )。古い方のは、flipbook で見る限り、図版が落ちているようです。このあいだ英訳本からの図版を載せた太陽の円環の図は1892年のにも見つかりませんでした。あ、あった。Google ブック検索(<http://books.google.com/books?id=ngsRAAAAYAAJ&oe=UTF-8>)に変えたら出てきました(154ページ)。このページはflipbookだとポッコリあいちゃっているのですが――
"Sonnenfreis" と下に書いてあるように読めます。が、それで検索してもこの本にしかヒットしないなあ。ゾンネンはゾンネの複数形で sunsでしょうか。フライはfree ? ううむ。わからんです。
このあいだ載せた図版は次のようでした。上に "Sunphere" と書かれているようです。――
英訳本の印刷技術もたいしたものです(というか版画屋さんの技術)。が、なんか言葉はだいぶはしょったような。キャサリン・クローの指示なのでしょうか。
と謎は深まるばかりなのでした。
ところで、ケルナーの英語のウィキペディアの項目記事――"Justinus Kerner" <http://en.wikipedia.org/wiki/Justinus_Kerner>――は、それがリンクとして挙げている1911年のブリタニカ百科事典第11版の項目記事――Kerner, Justinus Andreas Christian――のほとんど逐語的引きうつしが9割を占めています。そんなことでいいのでしょうか。能がないというか脳がないというか。まあ、ちゃんとというか、 "This article incorporates text from the Encyclopædia Britannica Eleventh Edition, a publication now in the public domain" と "references" のところに、もうひとつのソースに言及する "This article incorporates text from the public domain 1907 edition of The Nuttall Encyclopædia. " と並んで注記されていますけれど。しかしpublic domain だからといって、どこからどこまでが典拠の文かを明示しないのはまずいと思いますけど。そんなの著作権の問題じゃないよ。仁義と倫理の問題だ。
むしろ、ナクソスの音楽ページのほうが、作詞家ケルナーの仕事がわかって新鮮です。 ――「Justinus Kerner - 作詞者 - NML ナクソス・ミュージック・ライブラリ 」。それから、前にも書いたことのある『翻訳作品集成(SF/Mystery/Horror Translation List)』にはケルナーの短篇小説を入れた日本語アンソロジーが2冊だけあがっていました――「エスティーヌス・ケルナー(Justinus Kerner)」。どっちも同じ訳者による「オルラッハの娘」ですが。
それで、Internet Archives で調べてみると、ドイツ語のE-text が、作品集の1巻Werke (Volume 1)と4巻Werke (Volume 4) (なんでやねん)、その他20冊近く出てきます。なかで、個人的に興味深いタイトルはつぎのものです。――
The pioneers of the spiritual reformation. Life and works of Dr. Justinus Kerner (adapted from the German.) William Howitt and his work for spiritualism. Biographical sketches - Howitt, Anna Mary, 1824-1884
Magikon: Archiv für Beobachtungen aus dem Gebiete der Geisterkunde und des magnetischen und ... ・・・・・・マジックか?
Die Somnambülen Tische: Zur Geschichte und Erklärung Lieser Erscheinung ・・・・・・夢遊病か?
Eine Erscheinung aus dem Nachtgebiete der Natur (1836)・・・・・・自然の夜の側か?
Franz Anton Mesmer aus Schwaben, Entdecker des thierischen Magnetismus: Erinnerungen an ... (1856) ・・・・・・やっぱりメスメリズム、動物磁気説に深くコミットしたわけですね
Reply to Rev. Dr. Woods' "Lecture on Swedenborgianism ;": Delivered in the Theological Seminary ... - George Bush, William Benjamin Hayden , Nathaniel Francis Cabell, Richard Kenner Crallé, Catherine Crowe , Justinus Andreas Christian Kerner, John Clowes, Massachusetts New-Church Union , Swedenborg Foundation (1847) ・・・・・・ジョージ・ブッシュ・・・・・・アメリカもからんでいるのか。ジョージ・ブッシュはヘブライ学者で、スウェデンボルグ主義者で、ポーの友人だった人です。しかし、この本、デジタル版で見たのですけれど、構成がよくわからず。
ということで、きわめて消化不足、ほとんど私的メモでした。
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